金沢市横川の辻整形外科クリニックでは、CTによる新旧骨折の正確な判別と、適切な治療(疼痛管理・装具・骨粗鬆症治療)により、圧迫骨折の早期回復と再発予防に取り組んでいます。
骨粗鬆症によってもろくなった背骨(椎体)が、押しつぶされるように骨折する状態です。転倒などの明らかなきっかけがなくても、「くしゃみ」「前かがみ」「重いものを持ち上げる」といった日常の些細な動作で発生するのが特徴です。
「年だから腰が曲がった」と思われている方の多くに、この骨折が隠れています。放置すると次々に連鎖する「ドミノ骨折」を引き起こし、寝たきりの大きな原因となります。
「朝起きたら急に腰が痛くて動けなくなった」
「ぎっくり腰だと思っていたが、2週間経っても一向に良くならない」
「背中が丸くなり、以前より身長が2〜3cm縮んだ」
骨粗鬆症と言われたことがあるが、治療していない
圧迫骨折の治療は「疼痛管理・装具療法・骨粗鬆症治療」の3本柱が重要です。この3つが揃って初めて、骨折の回復と次の骨折の予防が実現できます。
| ❶ 疼痛管理 | ❷ 装具療法 | ❸ 骨粗鬆症治療 |
|---|---|---|
|
消炎鎮痛薬 強い痛み→トラムセット等も使用 |
コルセット 骨癒合まで確実に装着 |
ビスホスホネート+VitD 重症例PTH製剤(テリボン等) |
疼痛管理が不十分 → 痛みで動かなくなる → 筋力低下 → 寝たきりリスク上昇
装具をつけない → 偽関節(骨がくっつかない状態)になる
骨粗鬆症治療をしない → 新たな骨折の連鎖(ドミノ骨折)を招く
診察では背中を叩いて痛がる場合、圧迫骨折が疑われます。また、一般的なレントゲンでは、それが「今回の骨折(新鮮骨折)」か「昔の骨折(陳旧性骨折)」かの判断が難しい場合があります。当院ではCTを完備しているため、骨折の程度や新旧を正確に評価し、現在の痛みの原因がどこにあるのかを評価します。
強い痛みは約2〜4週間で徐々に落ち着き始めます。個人差はありますが、約3か月で骨が癒合し、痛みが大幅に改善するケースが多いです。
コルセットは骨が固まるまでの3か月、入浴時以外は継続して装着することが重要です。
痛みが強い急性期には、通常の消炎鎮痛薬ではなく、トラムセット等を最初から使用する場合もあります。痛みをしっかり抑えることで体を動かせるようになり、筋力低下や廃用症候群(使わないことで体の機能が落ちること)を防ぎます。
圧迫骨折を起こした方は、次の骨折リスクが極めて高い状態です。当院ではコルセット治療と並行して、速やかに骨粗鬆症治療を開始します。
骨粗鬆症治療についてはこちら(リンク)
通常3か月程度で骨癒合しますが、半年たっても骨がくっつかず痛みが残る「偽関節」になる場合があります。偽関節は以下のような所見で診断します。
● アリゲーターサイン:
レントゲンで前屈み・後ろ反らしをしたとき、椎体に隙間(開口部)が確認される状態。ワニの口が開くように見えることからこの名前がついています。
● CTでのcleft(間隙):
CTで椎体内部に空洞・亀裂が確認された場合も偽関節の診断となります。
偽関節と診断した場合は、骨セメントを注入する経皮的椎体形成術(BKP)を検討します。手術が難しい場合は、PTH製剤の注射により痛みの改善が期待できることがあります。
●コルセットは入浴時以外、常に装着する(就寝中も着用を推奨)
●前かがみ・重いものを持ち上げる動作を極力避ける
●畳やソファなど低い場所からの立ち上がりは背中を丸めやすいため注意
●痛みが落ち着いても、骨粗鬆症の薬は自己判断で中断しない
●転倒予防のため、夜間の移動には十分注意(足元の照明・手すりの活用)
この記事の監修:辻 大祐
辻整形外科クリニック院長(石川県金沢市)
日本整形外科学会 専門医
日本骨粗鬆症学会 認定医
日本リハビリテーション医学会 認定臨床医